体が弱かった子どもを成長させてくれた野球、そのコーチとの不倫、今は秘密裏に進めているが――将来の可能性を覗くツールとして、古代中国の王たちが編み出した卜占(ぼくせん)・易(えき)。
このまま野球も不倫もうまく続けていけるのか。
子どもとの生活が一番なら、結婚がベストじゃないかもしれない。
日々見舞われる数々の選択。常に一つの道にしか立つことのできない人生。あなたが不安や疑問をくぐり抜ける門を、ここに開設いたします。
今回の相談者様
チエさん(仮名)36歳は、小学生の男の子を育てるシングルマザー。二十代のころに知り合い結婚した夫は、あるとき仕事の失敗から自信をなくして家を飛び出してしまい、以降も借金を抱えるなどの事情のため、チエさんは子どもを独りで育てる決心をした。
学生時代から努力家だったチエさん。託児所つきの職業訓練校に通い資格も取り、現在は派遣スタッフではあるものの正社員を目指して頑張っている。
息子さんは小学4年生。夫に似て体が弱く、低学年までは気が気でなかったが、昨年より、友達の誘いで少年野球をはじめた。
母子二人で余裕はないものの、スポーツで少しは体力をつけてほしいということもあり、チエさんも応援に励んだ。一年生の子よりも背が低いくらいで、いまだに補欠メンバー。
それでも、自分から進んでベンチで声を出したり、懸命に練習での出来事を話す姿は母親としてうれしかった。日に焼けて、ご飯もよく食べるようになり、徐々に風邪なども引きにくくなった。大きな成長だった。
野球部のコーチ、Yさん
その息子さんが所属するチームにいたのが、コーチのYさん、49歳。元小学校の教員で、現在は配達の仕事をしながら野球を教えている。
スポーツをやっている人にしてはめずらしく物静かなタイプで、お母さんたちからの評判も「とてもやさしいコーチ」ということだった。一人ひとりと丁寧に話し、大声で叱らないのに不思議と子どもたちは言うことを聞くし、ふざけたり逆らったりもない。
チエさんの息子さんもコーチが大好きだった。「できることを日々やるのが大切」と教わったことが子どもの胸を打ったらしかった。きっと、ご家庭でも良いお父さんなんだろうな、とチエさんは思っていたそう。
あるとき、息子さんのグローブの件と、いつか試合に出られる見込みもあるんだろうかと尋ねたことをきっかけに、Yさんと頻繁に会話するようになった。子育てのことをはじめ、込み入った話をなんの抵抗もなく相談できる相手はなかなかいない。
年上の男性だったし、そのときは恋愛感情というより尊敬に近い気持ちだった。けれども、コーチとの会話の時間を素直に喜ぶ息子と、自分の家庭の話も打ち明けてくれるようになったYさんの素顔に身近な親しみを覚えはじめ、徐々に親密な関係に変化していった。本当に最初のころは、男女の仲になろうとか、不倫に飛び込もうとかは思っていなかったという。
息子の誕生日に電車で出かけ、三人で食事をしたこともあった。単純に、心くつろげる相手とそういう特別な時間が得られることが母子にとっては久しぶりの喜びだったのだ。
人知れぬ交際、母親の反対
チエさんの実母は隣町に住んでいた。近頃、友人の娘さんが子連れで再婚したということで、自分の娘にもそういう将来がなくもないと思ったのか、話題となったので、誰にも打ち明けていないYさんとの秘密の交際についてはじめて話した。
Yさんには大学生と高校生の子どもが二人いるが、奥さんとは以前から将来設計において相違があり、離婚を考えたことも何度かあったという。Yさんの口からは、子どもが社会に出たら、きっと夫婦はそういう決断になるのではないかとのことだった。
チエさんもこの交際がこのまま続けられるのならば、それまで待つつもりだった。母親は話を聞くと、不倫に関してはなにも言わなかったが、「年齢がねぇ」ということだった。
それに、離婚となれば奥さんに財産をほとんど取られて、二人を養う余裕もないんじゃないか、とも言った。二人の結婚には反対のようだ。それに母親は、チエさんがそこまで真剣交際をしていないと感じたらしい。
チエさんが心配していたのは、お金のことではない。今も独りで生活しているし……。子どもの唯一の楽しみである野球をずっと続けられるようにしてやりたい。そのためには周囲にコーチとの関係を疑われないように注意しなければならないし、チエさん自身、結婚に自信をなくしているところがあった。
未来のことはなにもわからないけれど、子どもと二人で力を合わせる生活を今は素直に楽しんでやっている。Yさんの存在もたしかに大きいけれど、彼の子どもが社会に出るまでの数年、大人たちが変わらなかったとしても、息子がどんどん成長していくその変化は絶対に大きいだろう。
その息子さんのことを第一に考えて、もし結婚という話が出ても、慎重に決断したいと考えているそう。
相談006 チエさん、36歳。
問一 いずれ結婚という選択に迷いがあります。
得卦「火地晋(かち・しん)」、得爻六二。
晋卦は、地上を太陽が燦々と照らしている状態ということで、八卦の離には「名誉」という意味もあり、褒美を賜る、功績といったことを表しています。
下卦は「坤」。地面を意味し、低いところということで庶民。陰爻なので積極的な動きは期待できませんが、頭上の太陽の恩恵は受けられる内容です。爻辞は「天子の下へ進みでようと思っても、道遠く愁いがあるだろう。しかし正しきに従っておれば、やがて王女から大いなる福を受けることができるだろう」。
「王女」というのは、二爻と対応関係にある五爻が陰爻であることからきています(陰は女性を表す)。陽爻と比べると若干福徳が劣るように説明されることもあるのですが、良い面は、自分がからっぽなため「素直に道に従う」という性質を持っていることです(陰爻の中心の穴が「空虚」を表している)。
之卦は未済(びせい)。「未完成」。まだまだ力不十分で、用心して進まないと失敗の恐れがある。だけれども本人の意志と努力があれば将来の可能性は十分にある。
質問者ご本人の状態をそのままなぞっているような結果が出ている場合、状態は特に悪くはない、ということです。ただ「心配無用」と言えるまでには行っていないですね。ご本人次第で、そこまで進める可能性はあります。
占断:
たしかに結婚まではまだまだ時間がかかるようです。しかし気持ちはそちらへ向いていて、その結果が叶えられる可能性は十分にあります。一番問題となっているのは「憂慮」があるということです。なにかが行動できなかったり、決断できなかったりする場合、迷いがあるからでしょう。現在の物事がある場所をよくよく見極めてみてください。今慎重に交際されているのは、それが正しいという決断からです。その見極めを保ちながら、進めそうになったら一歩踏みだす。今は不安定にある位置を、徐々に移動させ、目標に繋げていくだけのことです。
問二 子どもにはこのまま話さずにやっていきたいですが。
得卦「天雷无妄(てんらい・むぼう)」、得爻九四。
无妄卦は、天命に従えば自然のまま、ありのままの恩恵が与えられる、という意味です。動機が不純であれば、それは叶わない。
例えば畑を耕して作物を植えたら、「秋にはこれくらい実りがあるだろうな」と思うでしょう。それを「もっといっぱい生(な)ってくれないだろうか」とか、「楽して儲からないか」といった皮算用はむろんダメ、ということです(あくまで无妄卦の時間のときは、です)。
四爻は地位が進んできたからこそ、その態度を堅く守りなさい、と言っています。之卦は益(えき)。単純に利益と思いそうですが、易経は上位に立つ人を中心に語っているところがあるので、上の者が自分を「減らして」も下に分け与える――で、結果的に「増える」ということ。
占断:
今のままの状態で構わないようです。お子さんはまだまだ愛情が必要ですし、チエさんが目をかけていく、という時間がこれからも続いていきます。むしろ、さとられないように努める方がいいようです。問一・問二と良い意味の卦が現れていますから、心配はいらないと思います。
問三 相手のご家庭に対して、なにか注意が必要ですか?
得卦「風地観(ふうち・かん)」、得爻九五。
観卦は、人々に仰ぎ見られる。国が主体となっているので、治めている王の態度で、民衆は感化されていく。五爻はまさにその王を示すもの。
なので、「人々に仰ぎ見られても恥ずかしくないようであれば、良い」。ただ、之卦の剝(はく)卦が気になるところでしょう。将来の話になりますが、Yさんのご家庭で離婚の話が持ち上がったときは、やはりひと悶着はあるということです。
Yさんの奥さんでしょうか? かなり手ごわい方のように思います。お二人を糾弾する可能性もあります。家庭を崩したのがチエさんだということにならないように、Yさんとの連絡などは慎重に行ってください。「見られていることを意識する」というと探偵でも出てきそうな感じがしますが、私は観卦ということで、自分なりに顧みて「恥じることはなにもない」という生活を続けていくことだと捉えます。
例えばですが、お金の援助を受けていたのではないか? と疑われても、そうではないとはっきり言えることです。
占断:
Yさんとの交際、公には「不倫」ですが、チエさんに負い目を感じるようなことがなければ大丈夫でしょう。交際する以前からYさんと奥さんはうまくいっていないように伝えられています。ただ事が相手側に知られた際に、チエさんにも影響は及んできそうです。生活上はチエさんは独りで運営していて、Yさんになにか迷惑をかけているわけではないでしょう。現在の状態を保てば、動じることはないと思います。
家庭運アップのためのカラー診断
ご家族などのためにカラー効果を取り入れる場合、お年寄りには明るい色、お子様には落ち着いた色を選びます。
子どもは元々、大人より生命エネルギーに溢れています。なので、子どもだから勉強部屋を明色にしなければならないと頑張りすぎると逆効果。家相学でも、東南の方角などの明るい部屋はお年寄りに与え、子どもはなるべく北の方を選ぶ――とするのも、そのような意味からです。
基本は足りないものを補う形です。オーラで言うと、基本のオーラが青の方が青い服を着るとハレーションを起こしてしまいます。地上には様々な色が溢れているのが当たり前ですので、一つに偏ると良くないということです。
「青」は、精神的に落ち着いて良いとされますが、これも、あまり勉強に根をつめすぎるなどの問題がある場合、別の色にした方がいいときもあります。
子ども部屋なら、派手になりすぎず、物静かなトーンであれば何色でも構いません。または子どもには落ち着いた色を与え、よく接するお母さんの服装などを明るめにする、というのもいいでしょう。
コミュニケーション能力を発揮したい場合は「黄色」、健康増進に良いのは「緑」と、だいたいにおいて、人が色彩に感じるイメージそのままであることが多いので、難しくはないはずです。
問題は、部屋の壁紙、インテリアの類はそうそう何度も買い替えられるものではないということ。工夫できる範囲で考えても十分だと思います。
効果が如実に表れるのは実は「意識」「動機」などの部分なのです。
霊的な観点で説明すると、「すべての人生において、同じ結果にはならない」ということになってしまいます。
西の方角を黄色にして金運がアップした方、同じようにやったのにちっとも効果がなかったという方。または、あるダイエットで効果が上がる人と、そうでない人が存在するようなものです。
カラー効果を取り入れたいというとき、「生活を豊かにしたいから」「子どもに明るく健康に過ごしてほしいから」という前向きな思いから行動するのでしたら、良い情報を入手して、効果も期待できるでしょう。
物の捉え方・考え方自体に「中庸(ちゅうよう)」がすでに問われているのだと知って頂けたらと思います。
おすすめのパワーストーン【カルセドニー】
母性愛の象徴としてよく知られるマザーオブパールなどの石もありますが、広く、人との縁を育む石として、カルセドニ―をご紹介します。
石の形成過程の特徴から人間関係に効果を表すものとして語られているようです。石の色も一色ではなく、青や緑も選べます。マザーオブパールもそうですが、精神面にも疲労回復に良いとされます。
一番良いのは、効果が強烈ではない、ということです。扱いに神経を使うこともなく、他の石と合わせて使用することもできます。