タロット占い、それは占いに魅了された方ならば必ず1度は通る最もポピュラーな占い方法ではないでしょうか?ただ実際に日本でタロット占いが始まったのは、つい最近のことです。そんなタロット占いの裏側に隠されたタロット占いの歴史や起源、国ごとに違うタロットカードの種類や意味まで知っている人は多くないでしょう。ただ占ってもらうだけよりも、その占いの背景にある歴史やエピソードを知っておくとよりその占い鑑定結果を本質的に理解できます。
今回の【タロット占い 入門完全ガイド】では、タロット占いの魅力からその占い方法、歴史まで徹底的に解説ご紹介致します。最後まで読んで頂ければあなたも今日からタロット占いマスターになれるかもしれません^^また記事の最後には、タロット占いの上級者向けにタロット占いで使われるタロットカードの種類や各国での歴史などを詳細ご紹介しております。
魅惑的なタロット占いの世界への招待
神秘的で象徴的なイラストが描かれたタロットカードやタロット占いは、何世紀にもわたって多くの人々を魅了してきました。欧米では日常生活の中にもこのタロット占いが浸透していて、アメリカなどは地方の小さな町へ行っても必ずといっていいほど占い師のサロンの看板を見かけるほどです。
このブログはタロット占いについて知りたい、多少は知識がありさらに理解を深めたいといった方たちに向けて、様々な視点から見たタロットの魅力をご紹介していきます。
前半はタロット占いについての基礎知識、後半はタロットの歴史を少々アカデミックな視点を交えて探っていきたいと思います。実は東洋やイスラム圏が発祥だった?!というタロットの持つ意外なルーツを知れば誰もがきっと驚くことでしょう。
あなたもタロットのユニークで奥深い世界を一緒に覗いてみませんか。
タロット占いって?!
神秘的な雰囲気を醸し出してやまないタロット占いですが、誤った先入観を持たれている方も多いのではないでしょうか。
タロット占いはカードによってそのものズバリの答えが与えられたり、「コックリさん」のような見えない何かの力を借りて行うような占いではなく、「タロットの神様」というのもいません。タロット占いについての正しい知識を持っていれば、誰にでもできる占いです。
そしてタロット占いはカードを引くことで答えが出て占いが完結するといった、おみくじのようなものでもありません。結果に示されたカードを自分なりに読み解きながら答えを導き出していく、といった二次的な作業が必要になります。慣れないうちはこれがストレスに感じますが、タロット・リーディングは回数と経験を積むことが上達の秘訣なのであきらめずに続けてみてください。
初心者向けタロット・ベーシック
まず、タロットカードは大小のアルカナというものに分類されます。
アルカナとはラテン語で「arcana=不思議な、秘密、神秘」という意味です。本式のタロットデッキ(デッキ=英語の「deck」でカードの1組のこと)は全部で78枚あり、大アルカナ22枚と小アルカナ56枚から構成されています。
タロットデッキがこのように独特な構成になった歴史的経緯については、後半の「タロットの歴史」のセクションで説明します。とはいえ、大アルカナのみで販売されているタロットデッキもたくさんあり、日本ではこちらが主流となっています。
それぞれのカードは独特な意味を持っています。タロット占いは結果に示されたそれぞれのカードの意味合いを読解して組み合わせ、自分なりに答えを導き出していくというものです。
・大アルカナ
魔術師、死神、恋人、運命の輪など一般的に広く知られている22枚のカードの総称
・小アルカナ
小アルカナはあまり日本では知られていないため、初めて耳にする方もいるかもしれません。トランプのように4つのスート(ハートやスペードといった記号)があり、タロットでは棒(杖)、剣、聖杯、コイン(護符)になります。各スートは14枚ずつのカードから構成されています。
こういった事情から初心者は混乱しやすいのですが、タロットには数々の有名なイラストのカードで構成される「大アルカナ」とトランプのように数札と絵札で構成される「小アルカナ」の2種類があるということを頭に入れておいてください。
日本で一般的に知られているのは大アルカナによるものです。小アルカナを含む78枚を使って占う方がより詳細な答えが出せるのは確かですが、あまり一般的ではないことと、経験の浅いうちは混乱の原因になることもあるので慣れるまでは大アルカナのみでも差し支えないと思います。
各カードはそれぞれ象徴的な意味あいを持っています。例えば、大アルカナの「恋人たち」のカードは調和、協力者の出現といった2者間が(もしくは2つの物事)調和して満ち足りた状態を象徴しています。理想のパートナーに出会ったときのことを想像してみてください。
その他にも「正義」=公正、法律、裁判官といったように、カードごとに決められたキーワードや特定のイメージのようなものがあります。それぞれのカードに与えられている意味すべてを覚えることは大変なので、最初は先に書いたような大まかなイメージが浮かぶように訓練してください。ちょっとしたイマジネーションを働かせればとだんだんと理解できるようになりますよ。
ちなみに「死神」は決して悪いカードではないし、恐れる必要もありません。一般的に物事の終末を象徴するカードとされていますが、その一方で「終わりが訪れると同時に新しいことを生み出すチャンスも与えられる」というポジティブな面もあります。こういうところがタロットの面白味であり、また奥深さでもあります。
基本的にリバース(逆位置)になった場合は、どのカードも正位置とは反対の意味になる傾向があります。まずはこういった大まかな意味あいを頭に入れることから始めていきましょう。
また、それぞれのカードが象徴する人物像や占星術と連動した読解法もあります。各星座に割り当てられたカードは次の通りです。
牡羊座 | 皇帝 | 天秤座 | 正義 |
牡牛座 | 教皇 | 蠍座 | 死神 |
ふたご座 | 恋人たち | 射手座 | 節制 |
蟹座 | 戦車 | 山羊座 | 悪魔 |
獅子座 | 力 | 水瓶座 | 星 |
乙女座 | 隠者 | 魚座 | 月 |
タロット占いも高度なものになると占星術、古代エジプトの神秘哲学、ユダヤのカバラ思想や数秘術、旧約聖書の要素などを取り入れたものがあります。また占星術は特にタロットとは関わりの深いものとなっています。くわしくはこのブログ後半の「タロットの歴史」の中で触れます。
補足:小アルカナの各スートはトランプとは表のような関係を持っていると考えられています。
タロットの小アルカナのスート | 棒 | 聖杯 | 剣 | コイン |
現在の主流 | クラブ | ハート | スペード | ダイヤ |
ウェイト「タロット図解」 | ダイヤ | ハート | クラブ | スペード |
黄金の夜明け団の暗号文書※ | ダイヤ | ハート | スペード | クラブ |
※黄金の夜明け団=The Hermetic Order of The Golden Dawn。19世紀末のイギリスで創設された西洋魔術の秘密結社。別名で「黄金の暁会」とも訳され、略名でG.D.。1903年に解散。
引用元:https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B0%8F%E3%82%A2%E3%83%AB%E3%82%AB%E3%83%8A
https://tarotfun.jp/start-tarot-card/ https://zodianz.com/astrology-tarot-cards/#ASTROLOGY_TAROTCHEAT_SHEET
基本のタロット用語
タロット占いを始めるにあたって覚えておくべき言葉がいくつかあります。
①シャッフル
カードを展開する前にカードをまんべんなく混ぜ合わせること。トランプの「切る」という行為に該当するものです。いくつか方法があるようですが、一般的なのは最初にタロットの山を崩し、机の上に裏返しに置かれたカードを両手で時計まわりに円を描きながら混ぜ合わせていきます。このときにこれから占いたいことを心に思い描き、タロットに精神を集中します。特定の答えが出るように念じるのではなく、あくまでもニュートラルな気持ちでタロットにすべてを委ねることが大切です。
②カット
シャッフルして十分にカードが混ざりあったと感じたら一つの山にまとめます。そしてその山をさらにいくつかの山にわけ、再び1つにまとめます。これがカットです。
ここからそれぞれのスプレッドへと展開してリーディングを開始します。
タロット占いのときはどんなスプレッド(占うスタイル)の時でも、最初にカードをシャッフルしてカットするという過程は共通です。
シャッフル&カットのやり方には特に決まりはなく自分のやりやすい方法で問題ないという人もいます。慣れてきたらそれでいいと思いますが、大切なのは自分のやり方が決まったらそれに統一することです。毎回やり方を変えてしまうとカードに雑念が入って適格な答えが出なくなる恐れがあります。
③ リーディング
タロットを使って問題を占うこと、またはカードの解読のこと。
④ スプレッド
カードの展開法のことで、占いたいテーマに合わせていろいろな形があります。シンプルなものは数枚使うだけのものから、複雑なものになると10枚以上のカードを使うものもあります。
スプレッドにはいろいろな種類がありますが、タロット占いの中でもとりわけ有名なのは「ケルト十字スプレッド」でしょう。特徴的なフォームを形づくるのでこの名で呼ばれています。たくさんのカードを使うのでやや難易度が高いスプレッドになります。1つの問題を深く掘り下げてリーディングしたいときに使われます。
スプレッドには他にもたくさんの種類があり国内外の占いサイトはもとより、タロット占いのための書籍でたくさん紹介されています。初心者は簡単なものから始めて、徐々にレベルアップしながら自分に合ったやり方をみつけていきましょう。
タロット占いは自分で自分を占う、または他人を占うことができます。スプレッドの種類はたくさんありますが、総体的に大きく分けると次のような2パターンに分類されます。
①特定の問題について深く掘り下げて解決法を知りたいときの占い方。例:ケルト十字スプレッド
②結婚や就職といった人生の節目や新しい生活がスタートするときなどに将来的な予測を立てるための占い方。これは今年1年の運勢を知りたいというときにも使えます。例:ホロスコープスプレッド
ビギナーはまずは自分自身のことを占うことから始めて、慣れてきたら友人や家族といった身近な人たちを対象にしてリーディングの機会を増やしていくとスキルの向上にもつながります。
最近はYOUTUBE等のネット配信でタロット占いをやっている人も多いので、やる気のある人は将来的にはそういうのを目指してみるのもありです。副業にもつながりますよ。
リーディングの上達のために
一番の近道は、タロットと仲良くなって信頼の絆を築くことです。人によってはタロット占いのためにお香を焚いて部屋を清めたり、特別な小道具を用意したりといった準備が必要だという人もいますが、形式にこだわる前に一番大切なことはあなたとタロットが良い関係を築けているかです。占うときは雑念を持たずにニュートラルな気持ちでタロットと向き合えているのか、タロットに100%の信頼を置いているのかといったことが大切になります。
そして、こうなってほしいという強い希望を心に持って占ってはいけません。占いで出た答えが気にくわないからといって同じことを再度占い直すようなことは、タロットに対する冒涜になるのでやめましょう。もしも期待するような答えが出なかったときは、ある程度の時間が経ってその問題の別の局面が見えてきたときにあらためてやり直しましょう。
慣れてくるといつの間にかタロットに自分の心を見透かされたような答えが出てびっくりした、といったことも起こるようになります。そうなればあなたとタロットは良い関係を築けているといえるでしょう。
最初はたった1枚のカードの意味さえも本を見ながらでないとわからずに時間もかかるかもしれません。でも一度要領をつかめばどんどんとリーディングは上達していくので、慣れるまで根気よく続けてみてください。リーディングが上達するためにはそのためのトレーニングも必要です。
タロットカードには占う人の念が伝わるともいいますから、これからタロット占いを始める人はぜひ自分のお気に入りのマイタロットを持つことをおすすめします。イタリア製のものが最も品質がいいとの評判ですが、今は本当にたくさんのデザインのタロットが売られているので選択の幅は広いと思います。オンラインでも大小アルカナ78枚セットのものが3,000円前後からの取り扱いがあり、初心者向けに教則本とセットになったものもあります。
ブログ後半でいろいろなタロットを紹介しているので、そちらも参考にしてくださいね。
引用元 https://science.howstuffworks.com/science-vs-myth/extrasensory-perceptions/tarot-card.htm#pt6 https://www.takara2727.com/kut-shuffle-tarot-3166.html
タロットの起源
物事にはすべてルーツがあるように、ミステリアスなタロットカードはいったいいつどこから来たのかという疑問が起こります。おおまかな説としては、タロットは中国を発祥とするプレイングカード(遊戯用カード)がイスラム圏を経由してヨーロッパに持ち込まれた後、独自な発展を遂げて今日のスタイルになったと考えられています。意外な驚きですが、実はタロットは東洋とも深い関わりがあるのです。
ここでは以下のことを検証していきます。
①東方からイスラム圏、そしてヨーロッパへ。ルーツがイスラムにあったとは意外な驚き!
②歴史におけるタロットカードのデザインの変化。現代は多種多様なデザインに。
タロットカードの誕生とイスラム
タロットカードのこれというはっきりとした起源はわかっていないのが実情です。
最も有力な説で一般的に知られているのは、タロットの前身となったプレイングカードはオリエントを発祥としていること。これがイスラム圏を経由してヨーロッパに伝わったというものです。
ヨーロッパへのはっきりとした伝来時期も不明で、おそらく当時スペインにいたイスラム教徒によってだろうと考えられています。またその一方で、西アジア方面から祖国へ戻ってきた十字軍兵士たちによる可能性も高いという説もあります。
他にもよく取り上げられる例としては以下のようなものがあります。
・古代エジプト起源説。古代エジプト時代に失われた蔵書の情報がタロットに記録されているという説。
・インド起源説。ジプシーによってインドから6世紀頃にチェスとともにヨーロッパに持ち込まれたという説。
・東方発祥説。中国で12世紀よりも古い時代に使われていた「葉子」というプレイングカードがイスラム圏を経由してヨーロッパへ伝わったという説。
・ また同じ中国発祥説で、それ以前の6~7世紀の中国・唐時代に使われていた数札だとの説もあります。
以上のようにルーツについては所説ありますが、タロットの前身となったのは当時のイスラム圏で使われていたマムルークカードと呼ばれるプレイングカードということだけはわかっています。
そしてタロットばかりでなく、トランプを始めとする西洋のプレイングカードのほぼすべては、このマムルークカードにルーツを持っています。マムルークとは当時のイスラム世界を支配していたエジプトのマムルーク王朝(1250-1517年)からきています。トルコのトプカピ・サライ博物館に当時のカードが所蔵されています。
すべて手描きのイラスト部分はイスラム特有の繊細な装飾がびっしりと施されています。なお、イスラムでは偶像を描くことは許されていないので人物は一切描かれていません。
現存しているものは47枚ですが、元々は52枚のセットだったと言われています。スートは4つあり、それぞれ「スユーフ(剣)」「トゥーマーン(杯)」「ダラーヒム(コイン)」「ジャウカーン(ポロ用スティック)」で、各スートは10枚の数札と3種の絵札「マリク(王)」「ナイーブ(総督)」「ナイーブ・サニー(第二総督)」から構成されています。
それにしても、タロットカードやトランプの発祥の地がオリエントだったなんて驚くべきことですね。一方、古代エジプト起源説も支持が根強いのか、古代エジプトをテーマにしたタロットカードも多く作られています。
始まりはギャンブルだった?! ヨーロッパにおけるタロットの進化
では、イスラムのマムルークカードはヨーロッパでどのようにタロットカードへと変貌していったのでしょう。
1377年にスイス在住のドイツ人修道士によって52枚からなるカードデッキのことが文書に記録されています。前出のマムルークカードも52枚でしたね。
しかしながら、これがイスラムのオリジナルのものかヨーロッパ製の別のものなのかは残念ながらわかっていません。
歴史上第一号となったタロットカードは当初ゲーム用として製作されました。記録に残るヨーロッパでのタロットの起源にもっとも近しいと思われるのは、1440年のミラノ伯の手紙に記された「特別な催しに使うのでCarte di Torionfi=凱旋のカード」を送ってほしい」というものです。
この「Carte di Torionfi」というのは、通常のゲーム用カードとは違う意味合いを持っていました。
このカードデッキを使ってプレイするゲームは当時「凱旋ゲーム」と呼ばれていて、現在のブリッジに似たものでした。「Carte di Torionfi」は4つのスートがあり1から10の数札、絵札にはキング、クイーン、騎士、小姓がありました。そしてそれとは違う、どのスーツにも属さない「22枚の象徴的なシンボルを描いたカード」というのが付属していました。そのうちの21枚は特別な意味を持つ「切り札」として使われました。
この凱旋ゲームは瞬く間にヨーロッパ全土へと広がり、1530年頃には「タロッキ=Tarocchi」と呼ばれていました。これはフランス語の呼び名である「タロク=Taroc」のイタリア語の呼び方です。タロットの語源はフランス語にあります。
その後も「凱旋のカード=Carte Di Torionfi」は人気を集め、やがて当時一般的に普及していた多くのカードゲームとは一線を画すものとして区別されるようになっていきます。
フランスと英国におけるタロットの発展
フランスと英国では1781年にオカルト愛好家たちによってタロットが発見されることになります。
彼らは凱旋ゲームで使われていたカードの中の「象徴的なイラストが描かれた22枚のカード」は単なるゲーム用のカードではなく、さらにもっと深い意味のあるものと考えます。
そこで占いや予言の小道具としてこのカードが使われ始めます。そしてこの22枚のカードはオカルト作家たちにより「THE TAROT」と名付けられたということが記録されています。そしてこれ以降、タロットはオカルト哲学の一部として現在にまで受け継がれていきます。
ここまでの引用元:https://toyokeizai.net/articles/-/129334 https://science.howstuffworks.com/science-vs-myth/extrasensory-perceptions/tarot-card.htm#pt6 https://horoscopes.lovetoknow.com/History_of_Tarot_Cards https://www.universallifechurch.org/2017/09/21/the-surprising-origins-of-tarot-cards/ https://horoscopes.lovetoknow.com/History_of_Tarot_Cards
占いツールとしての歴史
タロットカードが占いのために作られたという証拠になるようなものは一切存在していません。 最初はゲーム用として使われていたものが、長い年月を経るうちに徐々に占い専用ツールへと変化していきました。
タロットは主にイタリア、フランスで発展して占いの基礎が作られたのちに、その流れを受けついだ英国の「黄金の夜明け団」によってさらに独特な発展を遂げます。
現在のタロットのそれぞれのカードが持つ意味合いが定められたのは17世紀のイタリアのボローニャでのことです。
そして18世紀後半の「エッティラのタロット(Etteilla’s deck)」の登場を機に、タロットカードのデザインはもっとミステリアスでドラマチックなものへと、そして各カードの持つ意味も難解で複雑なものへと変化していきます。
※Etteilla→本名Jean-Baptiste Alliette(1738-1791)。フランス人。オカルティストでありタロット占い師。タロットや占星術の書籍を何冊も出版してタロット占いを一般に普及することに功績を残しました。現代タロット占いの始祖とも呼べる人なので名前だけは覚えておきましょう。エテイヤと呼ばれる場合もあります。
ビジュアル面で検証。年代別タロットカードの図柄の変化
歴史上最古のタロットと記録されているのは、14世紀フランスの「シャルル6世のタロット」です。これが最初となり、タロットは長い年月の間に現在のような多種多様なスタイルへと進化していきます。とはいえ、この「シャルル6世のタロット」については諸説あり、現存しているものが本物なのか研究家の間では議論が続いています。
当時のオリジナルが残されている初期のイタリア製タロットは、「ヴィスコンティ・スフォルツァ版」と、場合によっては「エステ家のタロット」とされています(「エステ家のタロット」と「シャルル6世のタロット」をめぐって諸説あり、確固とした結論が出されていません)。
①世界最古?!謎に満ちた1392年製の「シャルル6世のタロット」
フランスのヴァロワ王朝の第4代国王で、精神不安定のため「狂気王」と呼ばれていたフランスのシャルル6世に捧げるために作られたタロットです。画家のジャックマン・グランゴヌールによる「金色や多彩な色使いで描かれたプレイングカード」と記録されています。
現在もパリ国立図書館に所蔵されている「現存するうちの最古のタロットカード」とされていますが、最近の研究によると全くの別物という説が有力になっていて意見が分かれています。
引用元https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B7%E3%83%A3%E3%83%AB%E3%83%AB6%E4%B8%96_(%E3%83%95%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%82%B9%E7%8E%8B)#%E3%82%B7%E3%83%A3%E3%83%AB%E3%83%AB6%E4%B8%96%E3%81%AE%E3%82%BF%E3%83%AD%E3%83%83%E3%83%88 https://horoscopes.lovetoknow.com/History_of_Tarot_Cards
③1415年のミンキアーテ版
イタリアのフィリッポ・マリア・ヴィスコンティ侯爵が秘書のトルトナに命じて作らせたものだと伝わっています。オリジナル版は残っていませんが、複製が残されています。大アルカナに現在のものとの相違があることがわかっていて、当時はまだタロットの形式は確立されていなかったことがうかがえます。
④ルネッサンスの名作「ヴィスコンティ・スフォルツァ版」
オリジナルは15世紀半ばに北イタリアでヴィスコンティ家とスフォルツァ家のために製作されたものです。78枚中の74枚が現存していて、世界中の博物館や図書館、個人コレクションに分散したものが所蔵されています。
この数世紀後に登場する「マルセイユ版タロット」とはかなり画風が異なり、各カード番号も記載されていません。そのために現在の大アルカナに相当するカードがどれぐらい含まれているのかは不明となっています。とはいえ、大アルカナ22枚のうちの20枚に該当するカードは含まれているとのこと。
⑤エステ家のタロット
15世紀、北イタリアの初代フェラーラ侯だったボルソ・デステ侯爵のために製作されたタロット。現在イェール大学とパリ国立図書館にその一部が所蔵されています。1469年から1471年にかけてフェラーラで作られたものとされ、ヴィスコンティ・スフォルツァ版とも後発のマルセイユ版とも一線を画する図案となっています。
特権階級から庶民への広がり
ここまでの時代に作られたタロットは主に貴族や富豪のため、画家による手描きのイラストから作られていました。見た目も豪華でちょっとした美術作品といった趣もあります。庶民にはとても手の届かない贅沢品といえるでしょう。
一般的にはゲームに使うことが主な目的だったとのことですが、占いはその中の遊びの一部として行われていたのではないかと言われています。
しかしながら、確固とした記録は残っていないのでこれもまた想像の域を出ないのが実情です。
そして16世紀頃になると木版画の量産品が出回るようになったことでタロットカードはより大衆的なものになっていきます。このおかげでそれまで贅沢品でしかなかったタロットカードはヨーロッパ全土のあらゆる階級の人々の間へと普及していきます。
とはいえ、この時代のタロットカードはギャンブルに使うものという認識でした。しかもタロットを使ったゲームは風紀を乱すという理由で何度も禁止令が出るほどの人気でした。
⑤大量生産で庶民向け「マルセイユ版タロット」
これも一度は目にしたことがあるデザインではないでしょうか。「マルセイユ版」とは、当時(18世紀)マルセイユがタロットカードの一大生産地だったことによります。当時は木版画印刷の技術が発達したことで大量生産が可能になっていました。
マルセイユ版の前身となったのは1650年前後にパリに登場した「ジャン・ノブレ版」(画像参照)と言われています。このタロットの基本的なデザインは後に登場するマルセイユ版のベースとなりました。
この時代のフランスは革命前後の不安定な社会情勢ということもあり、人々はタロット占いに心の安定を求めようとします。その結果、タロットはより神秘的なものへとなっていきます。 自らの名を冠したタロットを発行したことでも有名なフランス人占い師エッティラが歴史に登場するのもこの頃です。
⑥現代のタロット占いに多大な影響を与えたエッティラ版タロット
8世紀フランスで活躍した占い師エッティラは、現代につながる神秘主義系タロットの始祖になったと言われています。彼はタロットの古代エジプト起源説を唱えるアントワーヌ・クール・ド・ジェブランの「太古の世界」にインスピレーションを得て、革新的解釈のタロットを発表します。そして、1783年から1785年の間に「タロットと呼ばれるカードのパックで楽しむ法」という本も出版します。
タロット占いに「リバース(カードが天地逆さの状態)解読法」を加えたのも彼であり、またタロットと占星術を連動させた占い法を初めて取り入れます。
その後にヘルメス哲学、錬金術、旧約聖書、ヌメロジー(数秘術)等の要素を取り込んだオリジナルの「エッティラ版タロット」を発表します。そしてこのタロットを皮切りとして、数多くの革新的なデザインのタロットが登場します。
⑦ユダヤ神秘主義と占星術の融合「黄金の夜明け団タロット」
カバラとはユダヤ神秘主義のことです。19世紀のフランスにおいてはタロットにカバラや占星術の要素が取り入れられます。自著「高等魔術の教養と儀式」において「大アルカナ22枚とヘブライ文字の22文字の間には何がしかの関連性がある」と主張したのは、有名なロマン派詩人で隠秘学者のエリファス・レヴィです。また、ハピュス(薔薇十字カバラ団の設立者)は「タロットカードを介して占星術とヘブライ文字が結び付いた」としました。
こういったフランスでの潮流に刺激されて英国においては「黄金の夜明け団」(別名:黄金の暁会)が結成されます。彼らはあらためてレヴィの行ったタロットとヘブライ文字の関連性の証明、占星術との関係付けを行います。そしていくつもの名作タロットを後世に残します。ちなみに黒魔術の大御所のアレイスター・クロウリーもここに所属していました。彼が製作した「トート・タロット」は名作のひとつに数えられています。
⑧近年における傑作のライダー・ウエイト版
アーサー・エドワード・ウェイトによる「ウェイト版タロット」(ライダー版ともいう)はタロットの歴史における第二の革命と言われています。もっとも普及しているタロットのひとつでもあるので、この図柄を見たことがある方も多いのではないでしょうか。
このカードが革新的と言われる点は、それまでは単なる数札だった小アルカナのカードすべてに絵柄をつけたことです。これが多くのタロット愛好家の支持を集め人気を博しました。その他にも大アルカナの一部のカード番号を差し替えたこと、黄金の夜明け団タロットに見られたようなヘブライ文字の表記をカードから削除していること等が話題になりました。
⑨オリジナリティ溢れるトレンディなタロットの出現
1972年発表の「アルフレッド・ダグラス版」は、タロット愛好家たちに新鮮な驚きを持って迎えられます。
前出のライダー版に準拠しながらも鮮やかな配色を用いたシンプルで力強い、モダンアートを思わせるイラストで絶大な人気を博しました。
このアルフレッド版に続くかたちで最近では様々な題材を用いた自由な発想による、オリジナルデザインの魅力的なタロットが多く製作されています。動物、神話、アールヌーボー、はたまた東洋やアフリカをモチーフにしたものなど、あっと驚くようなデザインも登場していて視覚的にも楽しめるものがたくさんあります。
引用元 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%BF%E3%83%AD%E3%83%83%E3%83%88#%E6%B4%BE%E7%94%9F%E5%93%81
このようにタロットは何世紀もの長い年月の間に、徐々に姿を変えながら現代へと受け継がれてきました。こういうことからもタロットの奥深さが理解できるというものですね。タロットの意外な歴史を知ることでさらに理解が深まり、あらためてその魅力に気づかされたり、格別な愛情も感じるようになるのではないでしょうか。
このブログがあなたになにがしかのインスピレーションを与えられたならば幸いです。
【タロット占い完全ガイド】諸説ある歴史を3つの起源とどうして運命が分かるのか徹底解説!
ここまでお読みいただいた方は、ぜひこの【タロット占い完全ガイド】もお読み下さい。タロット占い、タロットカードの奥の深さ。そして、世界中の国々の文化が違うようにまたそのタロットカードと占いの方法もまた同じタロット占いでも異なる事が理解出来ると思います。
占いだけではなく、アート(美術)としても非常に価値のあるタロットカード。そのデザインは好きな方ならば眺めているだけでも愉しめるかもしれません。コロナウイルス対策で自粛要請が叫ばれる昨今ですが。タロットカード、タロット占いの雑学、トリビアとしても愉しんで頂ける記事となっております。