【易占・お悩み相談門塾】不倫相手との断絶、直後の妊娠発覚―― 周易による立卦・占断にて、今後の運命を尋ねる

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不倫の末に子どもを妊娠。姿を消した彼の真意を知りたい――将来の可能性を覗くツールとして、古代中国の王たちが編み出した卜占(ぼくせん)・易(えき)。

私との関係を抹消しようとしているのか。
今後、独りで子どもを育てていけますか?

日々見舞われる数々の選択。常に一つの道にしか立つことのできない人生。あなたが不安や疑問をくぐり抜ける門を、ここに開設いたします。

今回のご相談者様

派遣従業員として関東で独り暮らしをするフミカさん(仮名)、27歳。同じグループ会社の営業マンであったSさん(32歳・男性)と知り合い、1年半ほど不倫関係にあったといいます。

関西出身のフミカさんは関東には親類はおらず、友人も少なめ。慣れない仕事に鬱々としていて、いざというときの話し相手、相談相手がいなかったことで、親身に話を聞いてくれる頼りがいあるSさんに自然に恋心を抱くようになりました。

彼が既婚者で2人の子持ちであると知ったとき、二人はすでに交際をスタートさせていたそう。最初は頭が真っ白になり、すぐに関係を断ち切ろうと考えていましたが、仕事で悩みを抱え孤立していた感もあった彼女。

家庭のこと、自分のことは言葉を濁してはっきりしない態度を見せるも、頻繁にメールをくれ彼女のことを心配してくれる彼の優しさをはねつけることができず、週に一度は逢う機会を作って、一、二時間過ごすということをずるずると続けていたそう。

予想外の断絶

そんなある日、「妻にばれたのでしばらく会えません。すみません」というメールが届く。

フミカさんは不覚にも「大丈夫ですか?」と彼を気遣う返信をしてしまう。
このメールのやり取りを見られたのだろうか……。奥さんから咎め立てがあるかもと予想して、今さらながら怖くなり体調を崩した彼女は会社を休み病院へ。そこで彼の子どもを妊娠していることを知る。

連絡は取れない、でも、子どものことを黙っていていいのか……。

悩みながらもなんとか仕事だけはと私事を隠して出勤したフミカさんに、彼の同僚から信じられない話が入ってくるのです。

Sさんの浮気がばれて、怒った奥さんは子どもを連れて四国の実家に帰ってしまった。

Sさんの浮気相手はチャットアプリで知り合った相手。勤務時間にも会っていたことが会社にばれて支店行きを命じられている。

フミカさんの社内でも人気があり目立っていたSさんだけに、次々と遠慮ない噂が飛び交う。

この噂はいずれやむだろう。それと同時に彼はいなくなってしまうのだ。連絡を取ろうにもうかつに携帯電話は鳴らせなかった。もちろん彼は固い沈黙を守り、姿も見せない。

独りで決めた今後

私と違う人とも会っていたということか。奥さんが知ったのは本当に自分のことじゃないのだろうか。

同僚が話した浮気相手の情報は、どうしても自分のこととは思えなかった……。だけどもう、確認のしようもないし、知る権利があると主張できる立場なのかとも思う。

時間が経過して、自分のことを第一に考えるようになったフミカさん。もっと違った結果であってほしかったと思うと怒りを感じることもあるけれど、彼を人間として頼って、不倫をやめなかったのは自分。

子どものこと、彼が父親であることは肯定したいことであり、出産を決めたという。ただ一つだけ、Sさんはここに新しい命がいることを知らずに姿を消している。

それを知らせたら、産みたいと私が思っていると知ったら、彼はなんて言うだろうと、毎日そのことを考えてしまうそうです。

相談003 フミカさん、27歳女性

占断予備知識

占断のための解説図

問一 彼にとって私はなんだった?

得卦「沢風大過(たくふう・たいか)」、得爻九二

彼の子どもの出産を躊躇なく決めた、それほどの思いがあったフミカさん。に、対して彼の方は結局は遊び相手という感覚だったのかと、その真意を知りたいというのは当然のような気もします。

この得卦、得爻は人を占ったときはいい関係性を表しています。大過卦は、窮境を打破するためには過剰な手段でも取らなければならないという時期のことで、二爻はその大いなる行動を共にできる良き相手を得た、となっています。

之卦・咸卦も、男女の性的な感応を表し、男女関係以外と見ても、万物が成立していくためのエネルギーの自然な情の通い合いの様子を示すものです。これが単純な結婚とかであるなら問題なく大吉と言っていいのですが……。

占断:家庭か仕事かでなんらかの行き詰まりを感じていたのはSさんも同じだったようで、フミカさんはそんな彼に活気を与えるいいお相手だったようです。単純な男女関係と見た場合、相性が良かったと言えます。遊びや行きずりという感じではありませんので、今回のようなことがなければ、まだ続いていた可能性もあります。

問二 彼は今どういう心境でしょうか?

得卦「地風升(ちふう・しょう)」、得爻上六

大地に姿を現した芽が生長し、高大となっていく様を描いたのが升卦。とても希望ある卦ですが、その時間の終わりである上爻は頂けません。

爻辞の意味
「昏迷なまま昇り続けようとしている。切れ間なく正しい姿を取り戻さなければならない」。

過去(裏卦)が无妄(むぼう)卦。将来(之卦)が蠱(こ)卦
特にこれという強い野心もなくやってきたのが過去。でも人間は調子が出てくると当然勢いに乗ろうとしてきますから、彼もそれに合わせて昇り進んできたのでしょう。

ただ、控え時がわからなかったのでしょうね。これは仕事のことではなく、恐らくは女性関係のことだと思います。フミカさんの談から、彼はもてるタイプには違いなかったと思います。

蠱は、字面がすごいですが、見た目どおり、虫が涌(わ)いていて、その後片付けをこれからやっていくということ。

占断:女性関係だと思いますが、自重自戒ができず行動が過ぎてしまったようです。他の浮気もたしかにあったのかもしれません。反省し、元に戻らなければどうにもならない状況。すでに奥さんに見つかっていますから、後処理に追われるというのが今後だと思います。

問三 彼からまた連絡があるでしょうか?

得卦「水地比(すいち・ひ)」、得爻上六

比卦「人と親しむ」という方法論を描いたもの。特に自分にふさわしい相手を選ぶことと、地面が水を瞬時に吸い込んでしまうような、躊躇ない行動について言及されています。

人と仲良くなろうというとき、「どうしようか、こうしようか」といった迷いはたしかにそこまで生まれないはずです。「気が合う」というのはフィーリングであって、やり方にまずさがあった場合は作戦を変更する、というのはあるでしょうが、気持ちがあれば行動はすぐにできるということ。

上爻が出たということはそれが「できない」。あるいは機を逃してしまった。

今回のご相談のような場合、二人の間に不倫という事情が挟まっていて、気持ちだけでの行動ができる時間はとっくに過ぎてしまっています。之卦・は、立ち止まって見る、という意味

占断
言うまでもなく、連絡を取りたくても取れない、ということのようです。これは慰めになるかわかりませんが、この卦で見るかぎり、Sさんとしては都合よく無視しておきたいというより、状況に追い込まれてしまって機会を失ってしまったということのよう。今後も、自分のしたことを顧みるような状態が出ていますから、それを破ってでも連絡があるというのは期待しない方がいいでしょう。

問四 彼に思い知らせる方法はありませんか?

得卦「風沢中孚(ふうたく・ちゅうふ)」、得爻六三

妊娠を彼が知らないというのも居たたまれないですし、他の女性との関係を職場で聞かされるというのも相当なショックだったと思います。

人間が常に理性的で、人生になんの失敗も起こらないというなら誰も悩まないでしょうし、このような占いの診断さえ世の中には必要ないかもしれません。

お二人が交際中、善悪をおいてでも、一時の安らぎや喜びを得ようと関係を続けておられたこと。そして今、寄る辺ない状態で、フミカさんが怒りや悲しさをどこかにぶつけられないのかと感じておられること。

この場は協議や論争をしようというのではなく、ご本人が感情を素直に吐いて今後を見つけるきっかけにするわけですから、ただ、その感情について見ていきたいと思います。

中孚卦は、男性社会色の強い易経の処世訓からは少し色を変えた、どことなく女性的な雰囲気が感じられる卦で、「まごころ」「誠意」がテーマになっています。

「孚」というのは、鳥が卵を抱えている様子を表した漢字。問二の裏卦で出た无妄卦は、意図しない自然のままの成り行きで福徳が現れるのに対し、この中孚卦は、願いがあって、それが他者へ影響の波打つことで叶えられるというものです。

三爻は「妨げがあり、攻撃をしかけたりやめたり、泣いたり歌ったりしている」。之卦も小畜と「小さな足止め」。

占断
Sさんに対してぶつけたい感情はあるようですが、復讐のようなことは本心では思っていないのではないですか? あなたが願っていたのは彼が自分と同じ気持ちであること。問一から、それは間違いなかったようですし、このまま彼を恨む気持ちがあっても、ずっと乗じ続けることはできないようで、感情が安定することはありません。今後その気持ちは、通り雨のように、思ったより短い時間で乗り越えることが示唆されています。

問五 シングルマザーとしての今後が不安です

得卦「水雷屯(すいらい・ちゅん)」、得爻六三

屯卦はこれからの生長を目指す芽。期待はいっぱいですが、姿はまだまだ弱々しく、前方に困難(坎卦)があるのがわかっています。
三爻の辞は「案内役もなしに鹿を追って林に迷い込んでしまう。賢人なら危険を察して足を止めようとする」

三爻は下卦・震(動く)の出口。しかし困難にはまだ足を踏み入れていません。でも「動く」なので、このまま行けば落とし穴に進んでいってしまうでしょう。それを危惧したこの文だと思います。

通常、Sさんに子どもを認知してもらうのがいいのでしょうが、不倫関係にあったので、逆に奥さんから慰謝料を請求されることも考えられます。

別の女性との浮気の方が露見していて、皮肉にもそれが隠れ蓑になっているような状態。傷心な上に不倫相手まで居たと知ったら、奥さんの怒りは倍増するでしょう。

そのことも、また母子家庭に対しての公的扶助なども知った上で、フミカさんはなんとか独力で育てられないかということですが、不安はあって当然ですね。

之卦ですが、「水火既済」はすべてがふさわしい位置に収まっている状態で、この先は崩れゆく、その憂慮に思い及ばせるような卦です。

占断:今後しばらくは大きな変化はないかもしれません。ですが、出産・子育てへの移行はフミカさんにとっては新たな世界と言えるでしょう。完全に独りの力でどうこうというより、公的な、専門的な方に相談もして、同じような立場でお子さんを育てている女性も多くいらっしゃるでしょうから、こういう道もあるのだというお話を聞かれるのはどうでしょうか。

あなたの覚悟はとても感じられますが、足場固めは大事です。現在はやみくもに自分の考えだけで行動するというのは避けてください。他者の知恵を借りるようにしてください。


以上が今回の占断となります。

不倫と言っても様々なケースがあるでしょう。占いは、運命に関するガイドラインです。運命は大きく、人生は個人的なもの。道案内などなくても、気持ちで乗り切れる場合はいいですが、迷いそうになったときに頼れる知恵の一つとして、今後もご紹介できればと思っております。

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