《正財(せいざい)》は、”貯蓄も人生も堅実志向という星”、尖った個性ではなく、あたたかく穏やかな雰囲気を持つ星と言われている四柱推命(しちゅうすいめい)の通変星の1つです。【四柱推命 通変星 完全ガイド】では、正財(せいざい)の他の星との相性診断、金運・運勢、特徴、性格など占いでよくある相談事項を徹底解説致します。
1.四柱推命・通変星とは
四柱推命では、すべてのことを、生日を中心に占うことになります。誕生の瞬間に体内にインプットされた宇宙の気を、その人自身のエネルギーとして見るのです。
四つの柱(年柱、月柱、日柱、時柱)に、八種類の干支が入るので「八字」とも言われます。この一生涯変わらない命式から放たれるエネルギーと、移りゆく時間ひとつひとつが保有するエネルギーとの化学変化を精査・含味するようなものです。
より深く、細かく鑑定するには、五行の性質を知る必要があります。
日干から、月干、月支など、それぞれ調べていくわけですが、その関係性は、五行だけでも十分に推理することができます。しかし、土気、水性……と説明すると、目に見えない「気」のことを述べているだけに、漠然とした、また冷厳な印象となりがちです。
四柱推命の通変星・十二運などは、これら五行の特徴や意味合いをわかりやすく、キャラクター的に記憶できる便利さと魅力があるため、よく使われるところとなっています。
通変星は、比肩・劫財(自星)、食神・傷官(泄星)、偏財・正財(財星)、偏官・正官(官星)、偏印・印綬(印星)と十種類あります。
2. 正財の意味・特徴
正財とは
まずは五行より、正財の特徴をうかがっていきます。
木を基準としたとき、木が剋す(抑えつける)土に入るのが財星です。土は、方角でいえば東西南北の中心、季節は四季の間々に入る土用の期間となります。
他の五行の性質を少しずつ持ち、スムーズに受け渡しするという役目があるため、尖った個性ではなく、あたたかく穏やかな雰囲気を持ちます。
お金・人間・愛情――というのが、土性の主となる意味です。通変星――偏財・正財も、この特徴を持ちます。男性の命式では、配偶者や女性の縁を財星で見ますし、六親では、父親を表すので、その人の父親のことを見るときにも使います。
正財の性格
・貯蓄も人生も堅実志向という人
月支元命にこの星を持つ人は、合理的で、現実的思考を持つ、どっしりと落ち着いた雰囲気の人です。金銭・家庭の管理運用能力に長け、物事を非常に堅実に、几帳面に進めていく傾向があります。
正財が短所として表れたときには、吝嗇家となったり、生真面目すぎて口やかましく、融通が利かない性格となることもあります。
正財の金運
・大運に巡ってきたら一財産築くチャンス
派手な投機には向かず、コツコツ蓄えていく運勢です。男性にとっては妻・女性運も表すため、仕事に加えて出会いのチャンスともなります。結婚・家庭が主な話題となることでしょう。
大運は十年間あるため、正財が入る期間は、人生で金運に恵まれる時期ととらえます。社会的に地位や給料が上がってくる、人生の後半に入るのが理想ですが、幼少期でも家庭運として見ることもできます。正財が喜神であれば、貯蓄額の増加が期待できます。
・日干から見る正財
財星は土性の雰囲気そのままのようですが、日干の五行が木以外であれば、もちろん入る五行がそれぞれ異なってくるわけです。他の五行の場合、それも鑑みて、財星(金運)を考えていくことになります。
日干が木の人
土が財星となる。日干・木の方は、家庭において教育熱心なところがあります。土も愛情を表しますので、配偶者と協力し合って貯蓄に励むなど、家庭を中心にした運営を行うとよいでしょう。
甲の人…己が正財。干合。こつこつ築いて自分の基盤とすることが可能。
乙の人…戊が正財。お金が大きな問題として、手に負えない状態になることも。
日干が火の人
金が財星となる。金は西の方角を表し、収穫、悦び、遊びを表します。遊興で使うと散財します。物質としての悦びを得られる使い方ができますが、一瞬のものとならないよう注意が必要です。
丙の人…辛が正財。干合。丙は陽気で派手に振る舞うこともあるので、使い過ぎに注意。
丁の人…庚が正財。まさに自分の力で育て、役立つものとして使用できる。
日干が土の人
水が財星となる。土の人は生活が浮ついておらず、しっかりしている。ただ、水は北の方角になり、貯まることは貯まるものの、用途が不明となりがちです。やみくもに貯めても意味がありません。
戊の人…癸が正財。干合。太っ腹なので、執着しないところもある。
己の人…壬が正財。吝嗇家で、理由もなく出し惜しみするタイプ。
日干が金の人
木が財星となる。投資をしても、それが今後の成長につながるという使い方ができます。目的を明確にすると特にいいでしょう。出入りは激しいですが、ためになります。
庚の人…乙が正財。干合。上手に使うことで我が身に返ってくる。
辛の人…甲が正財。お金はお金と割り切ればよい。そこまで強く影響されない。
日干が水の人
火が財星となる。水の人は知性があり、ロマンを抱いています。ときにお金が原因で疲弊しそうですが、自分を輝かせてくれるものをもたらすという意味で必要なものです。
壬の人…丁が正財。干合。子どもへと投資することが多くなりそう。
癸の人…丙が正財。情けが深いので人に与えることも。
正財の適職
・真面目で几帳面な性格をビジネスでも発揮
正財の特徴に似合った、管理能力が発揮できる職場が最適です。特に金融関係。地道にやっていくなら商業、製造業などもよい。フレキシブルな対応を求められる職場は苦手かもしれません。
男性、女性ともに家庭的で、女性は良妻賢母。キャリアウーマンとしても真面目に仕事に打ち込みます。
正財の恋愛傾向
・家庭が向いているので結婚へつながる恋愛がよい
真面目すぎる性格が恋愛ではマイナス面として出る場合があります。出費をケチって家でのデートが多くなったり、地味で退屈な印象を相手に与えたりします。
家庭向きな人になりますので、結婚を視野に入れた交際の方が安心できるでしょう。
年運が正財のとき
年運に正財が入るのは、十年のうち一回。しかも大運のような長い期間はなく、一年間だけとなります。また正財が入るからといって、それだけで即、金運良好――とは言いきれません。
財星が喜神となる命式の人のみ、好調な年となります。前後に偏財もあるために、二年間金運がよい、となりますが、忌神ならば、不調な年です。金銭トラブル、女性関係(男命のみ)、家庭問題、父親との縁に関連することなどから、起こり得ることを考えます。
財星が喜神ということは、その人の命式に財星が不足しているということかもしれません。財星が入ればバランスが取れるということでしょう。
普段、金運が薄い、という方はこの年に掴むようにします。
3. 正財と他の通変星との関係
・正財との相性診断
正財×比肩
剋となります。比肩が真面目な正財を振り回しがち。正財が我慢できれば、仕事の関係なら上司の目に留まる成果をあげられるかも。
正財×劫財
まさに劫財が正財の財運を潰す関係。組織に属す真面目な正財は、調子が良く世渡り上手なのに実は頑固という劫財を認められない。
正財×食神
エネルギーを生じさせる関係で、もっとも相性が良い。お互い穏やかな性質が相乗効果をもたらします。経済的にも精神的にも豊かになる組み合わせ。
正財×傷官
繊細で気性が激しいところがある傷官を正財が精神的に支えるいい関係となります。傷官も相手に合わせることが大切。
正財×偏財
陰陽異なるが同じ財星同士。しっかり者という共通点があり通じ合う。偏財の太っ腹さが、なにかと細かい正財の短所を補う。いい友人という感じ。
正財×正財
同じ者同士理解しあえそうですが、発展性に難あり。家庭的な面を活かせるならよい。付き合うなら、生活に適度な刺激を入れるという工夫が必要。
正財×偏官
義理人情に厚い偏官は組織に向くという点で、仕事熱心な正財とは合う。お互いが足りない部分を補う関係でうまくいく。
正財×正官
真面目な者同士、仕事も家庭も非常によい。恋愛でも性質が似ているため堅実な交際ができます。安定性があり長い付き合いが望めます。
正財×偏印
組織や家庭に収まることが苦手で個性が強い偏印は、生真面目な組織人・家庭人である正財のよさがわからず、うるさく感じます。恋愛・結婚なら、正財が偏印の自由を許可すること。
正財×印綬
剋の関係。精神的にお互い敬意を抱いて付き合うならいいのですが、お金など現実問題となるとうまくいきません。口論が多くなりがち。じくじくとした陰気なケンカになりそう。
4.正財星を元命に持つ芸能人は?
女優の山口智子さん、鈴木保奈美さんは、両者とも、結婚後は仕事を控え、ご家庭に入られた印象が強くあります。正財の家庭的な特徴がよく表れているといえます。
正財の人は家庭に入った方が運気がよくなるからそうするというわけではないでしょう。自分が正しいと信じることを実行に移すことが重要です。時には失敗も大きな成功を導く鍵となりますので、恐れることはありません。
自分らしさを表現でき、人生の幸福を味わえるよう、四柱推命が一つの策として存在しているのかもしれません。
その他の正財星の有名人(敬称略)
麻生太郎、宮迫博之、ロンドンブーツ亮、長澤まさみ、杏 など