【四柱推命 恋愛・結婚完全ガイド】命式から良い相性・悪い相性を事例として「杉浦太陽・辻希美ご夫妻の命式」や「江口洋介・森高千里ご夫妻」、「及川光博・檀れいご夫妻」を占います。四柱推命で相性がいいとして語られる「合」(ごう)、干合支合(天地徳合)など詳細にご紹介し結婚相手・パートナーとして最良な人を四柱推命から見ます。
異性運・結婚運が悪いということはあるのか?
金運が良い、悪いなどと言われることがあるように、
命式で表されている情報内で「異性運」「結婚運」がよくない……ということはあるようです。
単純に、その要素を代表しているエネルギーの量が少ない――ということです。
四柱推命ではよく、男性は「財星」が、女性では「官星」が異性を表すので、これらがないと結婚運が悪いとされてきました。
これは、誕生した時に肉体に付与された自然エネルギーの情報ですので、先天的な要素であると言えます。
ですので、考え方としては、もし結婚運が悪いということであれば、きちんと計画し慎重な行動で臨む――という、後天的な知恵が必要になります。収入の少ない人が相当な努力をして貯蓄しなければならないことと同じです。
結婚運が悪いと結婚自体できない、難しい、というわけではないので、その辺は心配には及びません。
・偏財・正財について
男命で異性・妻を表す通変星です。
その命式の日干にとって良い働きをする五行となっていれば、良い配偶者を持てます。
財星が多い人は恋愛沙汰は起こりやすいです。
反対に財星がない人は恋愛方面に関心の少ない人。五行の土もなければ、家庭的な性質や情愛といったものが少なめでしょう。
・偏官・正官について
女命で異性・夫を表す通変星です。
官星が3つ入っている女性が三回結婚したという話もたしかにありますが、どんなものでも過多は日干にとっては不利となるため、離婚という凶作用として出る恐れがあるということです。
・同性愛者の方の場合
財星で恋愛運を見ればよいでしょう。各種・通変星別ではこうなります。
自星(比肩・劫財)
友人に恵まれるかどうかはこれで見ます。劫財タイプは同性からも好かれますが、あまり自星が強すぎると、「一人でいる方が気が楽」となります。
泄星(食神・傷官)
元命にあると恋愛体質の人。一人でいるのが寂しいという理由でパートナーを求めそう。
財星(偏財・正財)
性別の差なく人間に対する愛情が深い、優しい人。特に偏財は恋愛が派手。
官星(偏官・正官)
女性役として相手を支えるならいいでしょうが、男性的なエネルギーとして発現した場合、高圧的になったりします。仕事の方に熱心だったり、不器用な恋愛になったりします。
印星(偏印・印綬)
印綬タイプはなかなか難しい。「恋愛=結婚」「母から子が産まれる」などの古来伝統に縛られる傾向があります。なので、尊敬できるかどうかを基準にすればいいでしょう。
相性を見る
人が「あの人とは相性がいい」と語る場合、多くは「気が合う」という所感なのだと思います。気=エネルギーのことですから、四柱推命ではその観点で見ていきます。
- 同一干支、同じ五行が多い
- 干合の相手
- 支合の相手
- 干合支合(天地徳合)
同一干支、同じ五行が多い
似たエネルギーを持つ相手とは「共感」が生まれます。図1を見てください。
丸で囲んである文字は、相手の命式内にも存在する干支です。
同じ甲寅年生まれとあって、年柱が重なるのは当たり前ですが、全部で3、4文字を同じくしています。こういう相手は、趣味など気が合う人たちで集まったグループなどによくいます。
3文字以上、同一干支があれば「この人とは合うな」と感じやすいです。同性同士の友人でもそうです。
図2は、杉浦太陽・辻希美ご夫妻の命式です。同一干支が多いと、大変仲の良い友達カップルといった雰囲気になります。
出会ってから打ち解けるスピードが速いです。両親が厳しかったり、理解者・共感者がいない寂しい環境で育った方は特にこういう相手を求める傾向が強いです。
悪い部分があるとすれば、付き合いが長くなればなるほど空気のような存在になりがち、といったところでしょうか。なにもかもわかるため、刺激がある相手ではありません。
また、大抵は、五行の火が多い人は同じく火が多い人を好みます。5、6月生まれの人や、日干・丙、丁の異性をぱっと見、好きになりやすいです。
そして、自分が剋される五行が多い相手のことを「なんとなく怖い」と苦手意識を持つこともあります。自分を占めているエネルギーが脅かされるように感じるからでしょう。相性が悪いというより、居心地が悪いだけです。
同じエネルギーの相手と付き合うと、好調・不調も同じ時期に重なることになります。それが難点。
干合の相手
今度は、四柱推命でよく相性がいいとして語られる「合」(ごう)についてです。
干合は十個の干を順番に並べていったときに5つ先の干と引き合う関係になっているということです。
甲と己、乙と庚、丙と辛、丁と壬、戊と癸です。相性を見るときは、主に日干同士を見ます。
図3。恋愛中のカップルによく見られます。一度結合すると離れにくくなる、という性質のものです。
ですので、周りから「あの二人はケンカばかりして、もう別れた方がいいのでは?」と思われるほど破綻しているのになかなか別れない――というカップルは、干合や支合になっていることが多いです。これが悪い面。
そうなったときは、相手と一旦距離を置いて、続けていくべきか考えてみることと、周囲の意見も取り入れてみることです。
支合の相手
図4。支合は、子と丑、寅と亥、卯と戌、辰と酉、巳と申、午と未です。干合と同じく相手を見ると結合します。
一度縁ができたら簡単には離れません。干は天からのエネルギーなので精神面に作用して強烈に惹かれ合いますが、支合の場合、現実的な生活の面で合う、といったほのぼのとした感じになります。
地支が肉体面を表すということで、セックスの相性も合うとされ、結婚で健康や子宝に恵まれる、などと言われています。
こちらももし精神面で噛み合っていない場合、「もうそれほど魅力的じゃないんだけど、一緒にいても特に問題はないし……」と、現状維持が安穏といったような感じになります。
干合支合(天地徳合)
図5。干合と支合が両方揃った形。天地徳合と呼ばれます。
60種類の干支の中で、1種類、自分の日干支と干合支合になるものがあります。
顔を見ただけで不思議と「この人とは合う!」とわかるような相手です。
またエネルギーは時空をものともせず届くので、好きな芸能人や顔の知らない作家などの日干支がこれに該当していることもあるでしょう。
難点は干合、支合と同じです。結びつきが「直感でいい相手だと思った」で、その後の中身が構築できるかです。
あくまで日干支がぴったり合うというだけで、恋愛、結婚生活の良好さが保証されるわけではないからです。うまくいくかどうかは、命式全体で判断した方がいいです。
・パートナーとして最良なのは
四柱推命で相性が良い、とされるのは、自分の命式で不足しているエネルギーを持っている相手です。
あなたが夏生まれで、水がないなら、命式に水を持っている相手があなたを助けてくれます。
五行の金が多く、人間として柔らかさがない、というとき、火を持つ相手が代わりに柔軟な対応をしてくれるなど、現実生活でも欠点を補ってもらえます。
ただし、共通点が少なすぎると理解できない部分が浮き彫りになることも折々あるでしょう。これを不満とせず、利益面に意識を傾けるようにします。
・実際の命式で相性を読む
実例[1]江口洋介・森高千里
図6は、江口洋介(左)・森高千里(右)ご夫妻の命式になります。
日干 己―丙
丙の方が陽なので主導権がある。違いがありすぎて、即お気に入りとはなりにくい相手だが、助け合える。
己が冬生まれがよく、しっかりしていることが条件。
丙は派手すぎたりパワーで圧倒しすぎないことで、好相性。
通変星 偏財―印綬(食神)
森高さんは季節は木(四月まだ浅い)だが土(泄星・食神)が強そう。財星と泄星は相生で大変よい。
男性(冬の己日生まれ)
調候(気候に合わせたエネルギーの処方)では丙、甲、戊がほしいエネルギーとされます。
水が強い季節ですが、月干が年干と合しているので、天地貫通とまではいきません。
生時がわかりませんが、もう少し自星が強くてもいいので、火の運、土(乾燥土が良い)の運が良好。森高さんに丙、戊があるのが◎。
女性(春の丙日生まれ)
調候では壬、甲、庚が入ると良い。年支・月支が支合、でも土が多い。
人の世話をしたり、表現することが好きそうですが、ご本人に体力がない。泄星は多すぎると健康問題など出やすいので、無理は控える。お子さんも、手がかかるとそのことで疲弊しそう(泄星は子どもなので)。
まずは木が入って、生時にもよりますが、火を強くするか、水か。
総評
お互い自星が強くありたいので、相手の命式にあるということで惹かれ合ったのでは。
相性は良いと言えます。
お二人とも木が見当たらない(蔵干にはある)。年齢の割に老成しているということはないでしょうか。木が入ってくると若さが出てきて、健康問題なども改善されます。
実例[2]及川光博・檀れい
図7、及川光博(左)・檀れい(右)カップルの命式。
日干 壬―辛
辛の人にとって相性がいいのは壬と丙の人です。
辛にとってはぜひともそばにいてほしい、という相手です。
通変星 偏官―偏印(比肩)
檀さんは自星が強そうなので、比肩で見ます。
相剋となるので相性はいまいちです。
男性(秋の壬日生まれ)
調候では甲、丙が良いとされます。土→金→水と自星を生じてくれそうな雰囲気は見せていますが、天地貫通となっていません。
金と水がほしい命式。檀さんに金がある。
女性(夏の辛日生まれ)
調候では壬、甲が良い。年柱から日柱まで陰干支でできています。
女性らしい性質の方。
しかし自星が強いか。月干の木を活かしたいのに、辛が両側から剋す。
木と水がほしい。及川さんに壬と甲がある。
総評
どちらかというと、檀さんから見て、いいお相手。お二人は2011年に結婚。2018年に離婚となっています。
檀さんは、比肩の女性、自己がしっかりとある。金気が多い人も態度や言葉の当たりが強かったり、仕事に熱心すぎたりもします。
及川さんは自星がもう少し強ければ。もし社交的で、つかみどころのない風や水のような雰囲気の方だったとしたら、「八方美人な男性」と映って、しっかり者の女性からはイライラされるかもしれません。
日干支は金・水と、見目もそのままの清麗なカップル。財星の捻出が困難で、手に入れたい家庭というものが遠かったのかも。
・悪いとされる相性
- 七冲の相手
- 互換空亡
- その他
七冲(しちちゅう)の相手
十二支を時計の数字のように円に並べていったときに、正反対の位置にある支は冲と言って、五行の性質上剋となるので、相性が悪いとされます。
子と午、寅と申、卯と酉、巳と亥です。丑と未、辰と戌もそうなのですが、土性はほかよりも激しい争いにはなりません。
日支が冲で、干も相性が悪いとなると、なんとなく虫が好かない相手という感想を持つことになります。ただ合わないように感じるというだけで、離婚すると言われるような凶相ではありません。
が、もし結婚相手の舅、姑がこういう相手だったら、天敵のような、苦手な相手となりそうです(図8)。
干も支も剋となっているものを天戦地冲と呼びますが、
たとえば日干丙⇔壬は、火と水で相剋と思いきや、相性は良いです。
互換空亡(ごかんくうぼう)
日干支がわかれば、その人の地上活動において力が発揮できない時期、空亡(天中殺とも言う)がわかります。
その空亡の二文字のどちらかが相手の日支にあり、お互いがそうなっている場合、互換空亡と言って、男女の相性において凶相となります(図9)。
片方ならば問題にはしません。また、推命学で、各柱の空亡を一つ一つ調べたりする場合もありますが、これも通常はそこまで気にしません。
その他
月支(自分)と日支(配偶者)で、夫婦の縁を見ることもできます。命式内で冲となっていたら、難ありとされるのですが……(図10)。
この場所の二つの支が冲となっていたら即悪いというわけでもないです。
冲することでエネルギーが減じるので、そのことを考え、
日干に対して悪い五行が冲されていれば、良い配偶者を得られるとし、
助けになる五行なのに冲されているなら、配偶者運が不安定です。
離婚や、死別などと言われるようになります。
出会い・結婚の好機はいつ?
財星(家庭)、官星(成功)が入る年が結婚に最適と言われますが、これも、命式にとって忌神であれば違います。
この二つが悪いということは、恐らくは自星が弱い方。
それならば印星(名誉)、自星(独立)の頃が結婚に良好となります。
出会いもそうです。あなたにとって、好運気のときの出会いは良いお相手の可能性が大です。
彼氏は官星のときだけ現れる――ということでもないのです。
また、日柱、月柱の干支と合となる年も考えられます。
その干支が強すぎて悩みどころな場合、合することで脅威を減らせるわけです。また、合の強く結びつけるという特徴を活かして、長続きする関係を決定づけられます。
両者とも好運の時期を選べたら最高でしょうが、実際は難しいところです。
結婚して相手の家に入るので、男性側(または女性側)の好運気を選んでスタートとなると、その方が結婚生活では中心となります。
大安・仏滅
大安、仏滅などと言われる六曜は、四柱推命とは違う起源のものです。最近は気にされない方が多いように思います。
空亡の年月に結婚してはいけないか?
空亡は、宇宙の生成過程で、エネルギーの創造発現が究極に達し、再び元に還る前の時期に当たります。エネルギーが「無」のような状態ですので、なにかを始めるのにはふさわしいとは言えません。ただ現実問題として、その年月に生み出されるものも多くあるでしょうし、なにもせず過ごすという人もそういないでしょう。
また、空亡の支にも五行がありますので、たとえば火が喜神であるという命式の人の空亡が午・未である四柱推命の吉凶論では火が入って好調な年、となりますので、空亡の凶作用が感じられにくい、ということがあります。
命式中に空亡の支が入っていると、空亡が実質無くなってしまう、と考えられることもあります。もし四柱推命のみ問題にするなら、バランスが取れるときが好機、命式が苦しむときは避ける、でいいと思います。
【四柱推命 恋愛・結婚完全ガイド】まとめ
人情としてなるべく良い日を選びたい、となると、念入りな調査や準備が必要です。命式の自然エネルギーは、形のある生命(主に肉体)を彩っているものですから、強い精神に付き従うところがあります。なので、ご本人が納得されるところで選ばれるのが一番です。
強運の経営者、名武将が、占いで悪いとされてもあえて強行突破で成功を掴んだ――そのような姿勢が好きでしたら、小事に拘泥せず、で。
反対に、せっかくの人生の晴れ舞台なので、陽気に恵まれた形でスタートさせたい、とあれば、可能な限り良い運気を選択するといいでしょう。以上が、四柱推命による相性と好機の解説になります。
特に相性は見るべきところが多く大変かもしれません。
ただ実際の私たちも、出身地や職業、血液型だけで語られるような単純なものではありませんので、自然エネルギーの神秘の一つの表れとして、親しむ気持ちで難解さをクリアーして頂けたら幸いです。